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異世界少女のラノベ作り#8

 ぼんやりとした意識の中で誰かに声をかけられた気がした。  うっすらと目を開きながら木ノ前すみれはまた机に突っ伏したまま寝てしまったことを後悔した。  ちゃんとベッドで寝ればよかった。  腰痛のリスクを自ら高めてしまった […]

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異世界少女のラノベ作り#7

 小鳥のさえずりを耳に、山の向こうが白み始めた空を目に、木ノ前は駐輪場へ向かう。  自転車にまたがりいざ出発!となるところでポケットのスマホが振動する。  取り出すとSNSチャットアプリから通知が届いていた。友人だ。 ≪ […]

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異世界少女のラノベ作り#6

 速力を上げてわき目もふらず自転車を爆走させると、体感にして数分で自宅のある団地の駐輪場にたどり着けた。  おそらく五分もかからなかったと思う。  そして、ハッと思い出したように空を見上げると、春の夜空と煌めく無数の星が […]

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異世界少女のラノベ作り#5

「天幕(てんまく)って言うのだけど、これが特別な事情」 「……!……、」  開いた口が塞がらないという言葉を体現する日が来るとは思わなかった。  非日常が過ぎて開いた口が塞がらないのだ。  夢ではない。  紛れもなく夜空 […]

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異世界少女のラノベ作り#4

 早く帰ろう。    帰ってジャンプを読みがらカップ麺を食べ、冷蔵庫の冷えたコーラを飲むのだ。    幸福時間(ハッピータイム)は誰にも邪魔されてはいけない。  そう固く信じて木ノ前は自転車のペダルに力を入れる。  転倒 […]

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